地域ねこの虐待の指導

地域ねこ部
2021.01.07

年始最初の活動は、地域ねこに対する虐待に関する指導でした。

*プライバシーの保護や警察の捜査の都合そして、次の虐待の参考にならないために、事件の場所や虐待の詳細などは控えさせていただきます。

虐待の報告

最初に、この虐待について声をあげてくれたのは、地域ねこ活動を私達と一緒に行なってくれているメンバーでした。その内容は「自分の担当している区画内に、釣り針による、ねこの虐待があり、何匹も被害にあってきて、それをやめさせたい」というものであり、とても深刻なものでした。

そして、これまでに、その釣り針を用いた仕掛けに猫がかかり、悲壮かつ大きな鳴き声を聞いて、救出したことがあるとのことでした。しかも、昨年の11月、12月と頻繁にその様な事件が起こるようになってき、被害ねこが増えてきていました。その中には、当団体が運営する動物病院(ねことわたしスペイクリニックKOBE)で避妊去勢手術を行い、地域ねことして管理されていた猫も含まれました。お世話をされている方、手術を行なった当団体のスタッフ一同とても、とても、悲しくて、悲しくて仕方ありませんでした。猫をかすがいに色々な方がつながっている分、その悲しみ、そして怒りは広範囲に広がっていきます。

関係機関への働きかけ

年末に、早速、大阪府動物愛護センター、警察署、市役所の方に問い合わせ、どうにかできないかを話し合いました。しかし、動物虐待は、現行犯でない限り、事件化するのが難しいという壁にぶち当たりました。もちろん、動画や写真なども証拠になり得ます。

ただ、今回は、仕掛けの写真しかないような状態でした。これは本当に難しいところです。というのも、当然ですが自分がお世話をしている猫さんの無惨な姿を見た時には、さまざまな感情が湧いてきますし、正気を保って、写真や動画を撮影することはなかなか難しいからです。

問い合わせをした愛護センター、警察署、市役所などには、釣り針を用いた仕掛けの写真を見てもらうとともに、その他のありとあらゆる手段を用いながら、何がなんでも動いてもらうよう説明を行いました。もちろん、それが難しい場合には、代表の「動物愛護推進員」の立場を利用して、本人と面会をし指導するつもりでおりました。

地域猫の虐待における行政の指導と警察による警告

指導と警告

結果として、行政の指導と警察の警告が行われることになり、年始に早速、市役所の担当者と警察とともに虐待をしている加害者のところに伺いました。事前に撮影されていた仕掛けの一部もその方の家の中には存在していました。仕掛けの完全なものではなく、あくまでも一部分しか残されていませんでした。

地域猫の虐待における行政の指導と警察による警告

 

それらをしっかりと確認した上で、この行為が虐待にあたり、犯罪であるということを伝えるなど、市役所の担当者とともに指導にあたりました。警察の方では、強い警告が行われ、その場所にあった仕掛けの一部であったりは全て撤去されていきました。

 

地域猫の虐待における行政の指導と警察による警告

 

もちろん、加害者側の言い分、そして、その方の置かれた社会的状況や背景などがあります。しかし、地域ねこや野良猫の虐待は犯罪であり罰せられてないといけません。現行犯でないと難しい現状をみると、なかなかすぐさま事件として立件できるのは難しいかもしれませんが、今回のように、関係各所に根強く相談して、動いてもらい指導や警告のような形で対処できるものもあるということを学びました。

 

地域猫の虐待における行政の指導と警察による警告

ケーススタディの必要性

被害猫を救えなかったのは本当に本当に悲しくて、悔しくて、腹立たしくなります。その気持ちはお世話をされていた方が一番感じていることだと思います。生前の姿を見ていた当団体のスタッフ一同も本当にやるせない気持ち、そして悲しい気持ちでいっぱいです。

このような虐待に関する事件は色々なところで起こっており、それに対応されている方がいると思います。私たちを含め、そういった方達がケーススタディという形で色々な対処方法などを共有できる場があると本当に良いだろうと考えています。そうすれば、より早急に対応が行え、被害にあう生き物をもっともっと少なくすることができるかもしれません。もし、同じことで悩まれている方がおられましたら、今回どのように動いたかを共有させていただきますので、ご連絡いただけますと幸いです。

地域ねこ活動の重要性

少し考えていただきたいのですが、ご自宅の近所で虐待がある時に皆様はどう思われますか?私はすごく恐怖を感じますし、住んでいる地域がそんな状態であることがとっても悲しくなります。動物の虐待は、ドメスティック・バイオレンス(DM)や他人に危害を加える、その他の犯罪を犯している、もしくは今後犯す可能性が高いと言われています。

今回は地域ねこ活動をしていたことで虐待が判明し、警告までたどり着くことができました。地域ねこ活動をする上で、とっても大切なことに管理の「M」があります(「TNR」 +「M」:TNRM)。猫のお世話をするだけでなく、猫の頭数を把握したり、新入り猫を把握したり、猫の日々の状態を把握したり、トイレを設置し掃除をしたりすることです。

この管理をきちんとしていたからこそ今回のように地域に潜む闇の部分を把握することができ、より安全かつ安心できる地域に寄与できたと思っております。このように地域ねこ活動は、きちんと行えば、その地域の猫のためだけでなく、その地域の人にもメリットがあります。そういう側面を色々な方に知ってもらえるとより優しい社会につながるのではないでしょうか。

最後に、今回の虐待で被害にあった猫さんのご冥福をお祈りいたします。また、私達を含め、被害猫に関わってきた方、特にお世話をされていた方にお悔やみ申し上げます。

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