台風24号の影響で当日は雨。
開催にふみきったものの誰もこないのでは…との心配をよそに会場は大盛況!たくさんの方にご来場いただき、とても有意義な会となりました。ご来場くださったみなさま、スタッフの皆様、会場主高野さん、ありがとうございました!
第一部は、八木先生によるおはなしでした。
たくさんのスライドを使った講演内容は、平野区における地域猫のおはなし、平野区独自の特徴があり、ご当地タウンミーティングらしい内容でした。
さらには殺処分やペット業界の流通にいたるまで、かなり凝縮された濃い内容。なかにはショッキングな画像もありましたが、動物をとりまく現状、今もまさに動物たちの身に起こっていること、わたしたちはしっかり知っておくべきだとあらためて感じました。生き物は人も動物も含めて大きな関係を保ち地球上に存在しています。
動物の世界は食物連鎖をはじめ絶妙なバランスのうえで成り立っています。そこに人間が文明を進化させてアンバランスを生み出しはじめました。しかし、この人間が支配する地球の流れはもはや止まりません。だからこそ、わたしたち人間は知恵を使って、動物や自然に配慮した工夫をしていかなくてはいけないんだというしめくくり、とても壮大ですが地域にも同じことが言えるなあと感じました。
八木先生ありがとうございました(^^)
第二部は、大阪ねこの会荒井代表によるおはなしでした。
大阪においては、この3年間で、一斉手術の取り組みや各ボランティアさんのTNR活動、行政の「理由なき殺処分ゼロ」や獣医師会の「ミルクボランティア」などの前向きな取り組みによって猫の引き取り数が減少し、殺処分数も今年はついに1000をきりました。しかし、引取数や殺処分数がどんどん減ってはいるものの、まだまだ猫の殺処分数が多いのです。
今TNRの手をゆるめると、状態は一気に戻ってしまいます。
猫の繁殖力はすさまじいのです。だからこそ、もっとさらにたくさんの人を巻き込んでTNR活動を進めなくてはいけないというおはなしでした。
また、「殺処分ゼロ」という数字にこだわることの間違いについて、これは八木先生からも注意喚起がありましたが、行政が安易にひきとらなくなってくれたぶん、どこかで犬や猫が捨てられてしまうのでは意味がなく、行政殺処分がゼロになっても、犬や猫が殺されていないだけで、劣悪な環境でつめこまれているだけでは意味がないことも指摘されました。
動物に対するQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の重視が求められます。
また、大阪ねこの会Yさんからは、預かりボランティア制度についての説明もしていただきました。譲渡会などではなかなか保護動物をゆずってもらうのが難しい高齢者でも、長期の預かりボランティアであれば猫と暮す生活を実現でき、人も動物も生活満足が向上でき、入院や亡くなってしまうなど人生の変化があったときも保護主のもとに所有権があるのでそのあとが心配ないという利点があります。
また、高齢者のなかには「飼いたくても飼えない」という里親希望潜在者が多くいることはNPO法人ペットライフネットさんのセミナーのなかでレポートがありました。保護動物を多く抱えるボランティアさんたちのためにも、こうした譲渡の裾野を広げていくことは重要だと感じます。ぜひ、保護主さんたちには一度前向きにご検討してみてほしいなと思います。
荒井代表、Yさんありがとうございました。
質疑応答の時間は、もっと具体的な地域の問題が出てきます。
猫が庭や屋根に侵入してきて困っている、捕まえて保健所にもっていったが、さくらみみの猫は引き取れないと断られた。猫が嫌いなわけではないが迷惑している、どうすればいいか?
何度も出産を繰り返しているメス猫(ノラネコ)を捕獲して不妊手術をしたいが、近所の方からかわいそうだから手術するなと妨害を受けている、どうすればいいか?
近所にえさやりをして手術をしない人がいる、何度言ってもやめてくれない。
どうすればいいか?
こうした具体的な悩みはどこにでもある地域の問題で共通しています。
地域猫の取り組みが浸透していないこと、TNRのメリットが理解されていないこと、猫は野生動物ではなく人間がもたらしたものですべては保護することが不可能だから、ある程度は共生していかねばならないという譲り合いの気持ちが理解されないこと、などなど。
そして今回は、近所に無責任なえさやりをして手術をしないおばあさんがいて迷惑をしてるというご相談がありました。しかし、同じ来場者さんの中にそのおばあさんに心当たりのある方がいました。会が終わったあとに、お二人でおばあさんにおうちに訪問してくださったそうです。実は、ほそぼそとした年金暮らしのなかで2匹を手術させたのだけど、それ以上は捕獲などもできず困っていたが本当はTNRをしたいということがわかりました。
手術にはお金がかかりますが、どうぶつ基金さんの手術無料チケットや、不妊手術ローコストの動物病院、大阪ねこの会一斉手術などもあり、情報さえあれば比較的安く手術をすることは可能です。ご訪問してくださったボランティアさんがお手伝いをしてくれることになりましたしかし、ご近所には棒で猫を追い払ったり、水をまいたり、猫にやさしくしていると怒られるような雰囲気もありまだまだ厳しい状況もあったようです。
ほかには、なかなか捕獲器にはいってくれないママ猫のご相談については、会場主の高野さん特製の捕獲器を使用してみては?時間帯をずらしてみては?などとご提案しました。すこしやり方を変えるとすんなり捕獲器にはいってくれたりします。
同じ区内で、TNR活動をする人、猫に困っている人、なにかしたいなと感じている人が知り合うきっかけになったこと、経験や情報をシェアできたことはとても有意義だったと思います。平野区には、個人で活動されている方がたくさんいて、それぞれに地域を思い小さな命を思い暮らされていることを知ることができました(^^)
・2018年10月28日(日)富田林ねこタウンミーティング
詳細は大阪ねこの会HPをご確認ください。
9/30(日)に予定していた「ねことうさぎの譲渡会」は台風24号の影響のため中止となりました。かわりの開催を11/18(日)に決定しました!内容はチラシのとおり、猫とうさぎの譲渡会にくわえ、あひる珈琲さんによる特設カフェをオープンします♪ぜひお越しください♪
KATZOCでは、飼い主のいない猫に関する問題や
多頭飼育崩壊に関する問題などに注力しています。
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